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 いかなる実践の現場にあたっても、そこには深き思想が求められる。さもなくば個々の実践は全体性と強靱性を失い、不確実な未来の中で溶解し、解体せらることとなる。同時に、思想を深めんとする時には躍動する実践の息づかいが常に求められる。さもなくば、その思想は実践を導く力を失い、挙げ句にその生を衰弱せしめるものへと堕落する。
 今日、近代社会の過剰な進行の中でこの両者の分離は著しく進行し、政策や実践の「行」の現場では「知」が、一方で学術の「知」の現場では政策と実践の「行」が、それぞれ著しく軽んじられ、蔑ろにされ続けている。結果、「知」も「行」も、つまりは「政策・実践」も「学術」も、日に日に無力化され続けている。にもかかわらず、いまだ政策実践と学術に対する人々の信頼が一定残存し続けることにより、無気力のなかに安住するどころか、多大な害悪を公共に撒き散らすおぞましき俗物へと堕落するに至っている。
 本誌『実践政策学』は、こうした現状を憂い、学術の復権を「起点」として、思想と実践、学術と政策の間の平衡と統合を果たし、近代の中で失われつつある生の活力、あるいは活力ある生を取り戻さんとするものである。
 すなわち本誌は、あらゆる現場における思想と実践、学術と政策が織りなす動学的な相互連関としての無限循環を活性化し、力強く展開させんとする「学術的営み」を掲載する学術誌として刊行するものなのである。
 本誌は、生の躍動としての「公的実践」に貢献し得る論文を掲載し、それをもって読者各位による公的実践の展開を促さんとする。ここに言う公的実践とは、国づくりや国土政策、地域政策、まちづくり、村おこし、あるいは、公共に関わるあらゆる政策やマネジメント、さらには、仕組み作りや人材育成、教育、プランニング等、マクロとミクロ、官と民、国政とコミュニティ、対象の大小を越え、あらゆる公的な実践を指す。そうした公的実践に関わるものであれば、政策論であれ実践描写であれ、それに触れることで読者各位の生の躍動を活性化させ高度化させ、読者各位の公的実践に貢献し得る限りにおいて高く評価し、広く公衆に出版するものである。
 本誌『実践政策学』が、堕落した今日の学術を復権させると同時に、この世界で繰り広げられる生の躍動としての政策と実践の活性化と高度化を果たし、それを通して、学術と生の実践をニヒリズムの漆黒の闇の中から救い出す契機をもたらす事を祈念し、ここに広く、全ての学徒、公衆に向け、刊行する。

石田東生・桑子敏雄・森栗茂一・藤井 聡

  
 
 
 
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